タッチすると電話できます

仲間と歩む復職の道

わたしがリワークに通いはじめた理由

「うつ病」って、精神的に弱い人がかかるもので、自分には縁のないものと思っていました。そんな考えをもっていたわたしが体調を崩したのは、いまから3年前のことです。

ある日、会社からの部署替えで新規事業部へ異動になりました。管理職として、事業の立ち上げや、運営、スタッフの教育などやるべきことが多い部署ということもあって、いろいろな作業が重なり、土日も出勤、平日はほとんど毎日深夜まで残業する日々がつづきました。上司からのプレッシャーも増え、精神的な余裕もなくなり、どんどん窮地に追いこまれていくような感覚でした。

そうして1年が過ぎた頃、夜、床につくと動悸がしてなかなか寝つけず、眠ってもまたすぐ動悸を感じて目が覚め、そのまま朝まで眠れなくなる状況がつづきました。やがて耳鳴りがするようになり、後頭部や腕にしびれがでてくるようになりました。歩いていても浮遊感があり、倒れるのではないかという不安を感じていました。会社では、上司と顔をあわせるたびに、動悸がするようにもなっていきました。

これではいけないと思い、内科、循環器科、眼科、耳鼻科などで検査をしてもらいましたが、いずれも「特に異常なし」という診断でした。いったい自分の体はどうなってしまったのだろうと不安ばかりがつのる状態がつづきました。

そんなとき会社の健康管理室の保健師に相談する機会があり、精神科クリニックの受診をすすめられました。クリニックでは、「うつ病」と診断され、通院することになりました。その後、医師から休養するようにいわれ、その年の8月から休職することになりました。休職後、会社の復職担当者からのアドバイスもあり、リワークプログラム(復職のためのデイケア、以下プログラム)を実施しているクリニックに通院することにしました。

リワークプログラムで不安が軽減

自宅で療養している間は、ほとんど外出することはなく、ただ漫然と一日をすごしているような状態で、「このまま治らないのではないか」「会社から解雇されるのではないか」など、常に不安と焦燥感を抱いていました。家族もわたしと同じように不安を感じているはずなのに、とても気遣ってくれていることを感じてもいました。

プログラムに通いはじめの頃は、体調もよくなく、電車に乗って通うだけで精いっぱいで、「とにかく行くだけ行ってみよう」「途中で体調が悪くなったら帰ればいいや」という気持ちで約1年間通いつづけました。

いまでは通所することも基礎体力づくりのひとつになっていたんだと思っています。プログラムでは、オフィスワーク(読書や各種ドリルなど)で集中力や作業負荷への対応力が高められ、ゲームなどを通して他のメンバーとの交流をはかることができました。また、体調の安定度合に応じて、週の通所日数が段階的に増やされていくため、安心感もありました。プログラムは、病気に対する理解や、困った状況での対処法(認知行動療法)のプログラム、復職へ向けたより実践的なリハビリにつながるグループディスカッションやロールプレイなどもくわわっていきました。

プログラムに通ったことで、(1)生活リズムを整えるきっかけになったこと、(2)病気ときちんと向き合い再発予防の知識やスキルを身につけられたこと、(3)プログラムに通う人たちと交流をもてたこと、などを有意義に思っています。

仲間に支えられた復職への道

通所してくる人は千差万別です。自分と同じ、あるいは自分以上につらい思いをしてきた人たちです。「復職」という同じ目標をもった仲間です。「仲間」と同じ時間を共有するなかで、自分の気持ちが楽になったり、あらたな「気づき」があったりしたことが、大きな力になりました。

復職して1年を経て思うことは、「自分ひとりでのリハビリではなく、仲間とともに支えあったリハビリだったんだ」「そんな仲間に支えられなければ、回復にも復職にももっと長い期間がかかっただろう」という思いです。

「うつ病」は、薬で症状を和らげることももちろん大切です。しかしそれ以上に、再発リスクを抑えていくことの重要さをリワークに通うことで学ぶことができました。自分のいままでの考え方や思考の癖、対人コミュニケーションスキルを振り返り、自分の「心の疲れ」を極力増やさない思考や行動ができるように改善していくことが必要だと感じています。

病気になったのは不運ですが、きちんと対応すれば回復に向かえると思います。今後も、自分自身を常に冷静に、客観的に観る力と、困った状況への対応スキルやノウハウを養いながら、再発しないように注意して、人生を楽しみながら歩んでいきたいと思っています。

※この物語はフィクションです。文中に登場する人物・会社などはすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。尚、リワークにかかわる内容は事実に基づいた表現を心がけています。ご了承ください。

ページの先頭に戻る
トップページへ